AIアートはアート?...実際に作ってみて生じた疑問
"pretty fucking shitty"or "giving a special kind of beauty"- クソアート か 新時代アートか
”Yeah that's pretty fucking shitty-ああ、それはかなりクソだ”
ストレートに書かれたこちらのツイートは、1万RTを超えて多くの人によって物議をかもしました。
2022年8月、アメリカコロラド州で行われた『Colorado State Fair 2022 Fine Arts』にて、AI技術を駆使して画像を作成するツール【Mid journey】を用いたアート作品『Theatre d’ Opera Spatial』が優勝したことが波紋を呼び、世界中で議論を巻き起こしました。
https://viva-drone.com/ai-art/
『AIの誕生でアートが死んだ』と表現された衝撃的な事件は物議を醸し、
一方で、同時期には国内外問わずNFTスペースでもAIアート作品がフィーチャーされて取引が活発になりました。
そして2023年、AIはさらに進化し発展を遂げる年になると予想している人たちやメディアが増える中、
私を含めてまだこの様な疑問を心のどこかで感じている人たちも少なからずいます。
『AIアートはアートなのか?』
NFTはアニメ調のイラストアートや、近未来的なグラフィックアート作品も人気を得ており、中には高値で売買されているものもあります。
AIを使わないイラストレーターやアーティストの中には『AIが作った画像がアートと呼ばれるのであれば、私たちが努力して培ってきた絵を描く技術に意味がなくなるのではないか』
『人の感性が手に伝わり抽出された絵だからこそ芸術性を帯びている。AIが代わりに作成した画像は芸術ではなく単なる画像』
という批判的な意見や問いかけを投げかける人たちも存在し、その気持ちが分からないことは無い。という人もいるでしょう。
私も、その様な意見を発信しているアーティストの気持ちになれば、AIはアートではないと言いたくなるのも分かりますし、その人たちに『AIアートはアートだ』と意見することに少し戸惑いを感じます。
一方で国内外問わずAIアーティストとして活躍されている人達も存在しており、
NFTスペースでも、AIを駆使した作品製作に取り組んでいる世界的なフォトグラファーやアーティストたちがフィーチャーされています。
”conversations with @midjourney are giving a special kind of beauty-Midjourneyとの会話は、特別な美しさを与えてくれます”
NFTスペースにおける最も有名なAIアーティストの一人、Claire Silverの作品はOpe Seaでfloor価格1.65ETHをつけており、最も高いオファーは1.22WETHで取引されており、その人気がうかがえます。
彼女のコレクションプロフィールにはこの様なメッセージが書かれています。
『AI Art is Not Art』は、Claire Silverによる500点のAI-Collaborative Artを収録した作品集です。
各作品は、複数のアートムーブメントを組み合わせて、独自の美学を表現しています。同じコンセプトの糸をたどり、アクセス可能なAIツールを混合して作成されています。
Artbreeder、Prosepainter、Collage by Studio Morphogen、Midjourney、Diffusion、StabilityAI、Dalle2、また、手描きやデジタルコラージュも必要に応じて使用しています。
AIコラボレーションアートは、多くの新しい芸術運動が経験する批判、すなわち、まったく芸術ではない、努力や技術を必要とせず、芸術的価値や具体的価値がない、ということに直面している新進芸術家です。
このコレクションは、AIのコラボレーションによってのみ起こりうる方法で美術史の幅を広げ、広範な美術界から当初拒絶された芸術運動を含むように注意し、作品を作るためにアクセス可能でコードなしのツールのみを組み合わせて使用することによって、その考え方に挑戦します。
https://opensea.io/collection/ai-art-is-not-art-claire-silver
また、AIアーティストによるNFTアートをキュレーションする専門ギャラリーも設けられています。
写真家やイラストレーターが取り組むAIコラージュのような、自分のアートにAIを融合させて作品を生み出すことは自分の感性を作画技法や撮影などのような手の技術を通しているため、アート性を感じますが、
完全にAIから抽出した作品はアートとしてどの様な説明がつくのでしょうか?
私はAIアート反対派ではなく、むしろ新しい領域に興味を持ちながら、しかし人に対して『アートだ』と自信を持って説明をできずにまだ疑問を持っています。
実際に作ってみないことにはわからないという事で、簡易ではありますがMid journeyで画像を何点か作成してみました。
作る行程は本当に簡単でMid journeyのDiscordでワードを入力するだけです。
この様に、動物や具体的な固有名詞だけでなく、細かいニュアンスまで反映されます。
また、モナリザなどの有名な絵画からナポレオンといった人物も描き出してくれますし、宇宙旅行やスマートフォンといった現代テクノロジーをコラージュさせることもできます。
”モナリザ,宇宙旅行,油絵”
”ナポレオン,スマートフォンを使う,戦略を立てる”
niji journeyというツールでは、アニメ調のイラストまでプロレベルで描いてくれました。
たったこれだけで画像を作ることができてとてもワクワクするし、正直楽しいです。
楽しいこととは別にして、Midjourneyやniji journeyの様なツールを用いて『アートだ』と言っている人がいるとすれば、それを否定する気は全くありませんが、
私は実際に、AIを使って画像を作ってみて率直に感じたのは、『これはアートだ』と自信を持って言えないという気持ちです。
しかし冒頭で記したように、Midjourneyで作成した画像がアートコンテストで優勝をとったことも事実であり、アートの専門家や造詣の深い人達がアートとして認めたという現実でもあります。
また日本でも第一回AI ART GRAND-PRIXが開催されることが決まっており、審査員は名探偵コナンのアニメプロデューサーやシン・ゴジラの映画監督、漫画家などが名を連ねます。
https://www.aiartgrandprix.com/
『AIアートはアートなのか?
アートであるならば、AIアートとAIが作った単なる画像の違いはどこにあるのか?』
この様な疑問は素人の私がいくら考えたところで納得のいく答えが出るわけでもなく、
やはり専門家の見解を伺うことで理解が深まると思いました。
そこで次回のTwitterスペースPalClassは、実際にAIアーティストとして活動し、コンテスト受賞者でありNFTも即完売する窪田望さんをゲスト講師としてお招きし、
AIアートはアートなのか?
その将来的な可能性は?
AIアートとNFTの相性の良さとは?
など、本質的なところをズバリ突っ込み、ご教授していただきたいと思います!
皆さんぜひご参加ください :)