まだまだ続くマケプレ戦争、Blurはエアドロのシーズン2が盛り上がっており、大金を稼いだ人たちは笑いが止まらないでしょう。
喜んでいる人、悔しい人
2023年2月現在、NFTスペースでは、人それぞれ様々な感情が渦巻いています。
しかし、Blur vs OpenSeaで一番稼いでいるのは、$Blurの億り人ではなく一つのVCです。
そのVCとは【Paradigm】
唯一、OSとBlurの両方のマーケットプレイスにリードインベスター(資金調達ラウンドにおける最大の出資者)として、その影響力を高めています。
海外では『Paradigmはインフルエンサーにお金を流してわざと騒がせている。Blurのポイント上位ウオレットを見れば丸わかりだ』という批判が出ています。
しかし、一方では『VCとしてはとても優秀だ。ライバル同士の企業に張るのは投資として間違っていない』という肯定的な意見もあります。
a16zを超えるほどの投資規模を誇る、クリプト分野における世界最大手VCの一つ、Paradigm
そのParadigmとは、どういった投資会社なのでしょうか?
その歴史を知ると、特殊でありながら、とても卓越した投資手法ということが分かりました。
当記事では、様々な情報を元にParadigmを解説していきます。
Paradigmを調べると、その情報はとても有益であり、私自身何度も読み返して理解を深めたい内容です。
いつもよりボリュームがありますが、今後もWeb3スペースを牽引する企業として知っておくべきであり、
またWeb3分野での投資の参考としてとても学びが深い内容なので、あなたもぜひご一読ください。
暗号通貨バブル崩壊後に、4億ドルすべてをビットコインとイーサリアムに投資
Paradigmは、Sequoiaの元パートナーMatt Huang氏と、Coinbaseの元共同創業者のFred Ehrsam氏の二人によって立ち上がりました。
2017年、当時Sequoiaで働いていたMattは、Fredの「VR is a Killer App for Blockchains」というブログ記事を読み、
『起業家としてこのアイデアを構築することに興味があるかもしれない』と思いました。
実際にはFredにその意図はなかったが、MattはFredの起業家としてのマインドに感銘を受け、いつか一緒に仕事をしたいと思ったといいます。
その後、MattはFredに、『新しい暗号プロジェクトに出資してくれる投資家を知らないか』と尋ねたが、自分たちが作りたいような暗号に投資することに興味を持つ投資会社はないという答えが返ってきました。
こうして、自分たちが興味のある暗号に投資するファンドを設立することになりました。
2017年、暗号通貨バブルは一流大学の非営利基金にまで広がっていましたが、予算を適切に配分する役割のマネージャーは、
暗号通貨に直接投資したり、よく知らない初期のVCファンドマネージャーを信用することをためらっていました。
そこでMattとFredは、元CoinbaseやSequoiaの社員という信用力を活かして、こうした機関投資家に代わって暗号通貨への投資を提案し、
2018年にハーバード、スタンフォード、イェール、Sequoiaから4億ドルを調達することができました。
その後、なんと彼らは、バブル崩壊後の暗号通貨の価格が低迷していた時期に、4億ドルすべてをビットコインとイーサリアムに投資したのです。
※このあたりで投資した↓↓↓
Paradigmはビットコインに投資し、逆張り投資戦略で成功しました。
同社のファンド構造は、
・返還期限のないオープンエンドの投資期間
・デジタルトークンや暗号通貨そのものなどのオルタナティブアセットに約60%、残りの40%は通常のスタートアップ企業の株式に投資対象
・回収した資金の4億ドルをすべて前払い
など、ややユニークで珍しいものとなっています。
しかしその設計により、弱気相場中の大学や古巣Sequoia等に4,000ドル以下の価格でビットコインとイーサリアムに触れる機会を与えました。
これらの手法により、Paradigmは総額7.5億ドルの初期資金を調達。
そして彼らは、技術的にハイレベルな開発者を集めて研究チームを組み、ポートフォリオのサポートをするなどで評判を高めていきました。
勢いを増すParadigmは、UniswapやSky Mavis、FTXなど有望な暗号プロジェクトやスタートアップへ投資し、新たに25億ドルのファンドを設立しました。
ここからはFred氏が語る、Cryptoに対する期待の高さの理由となる独自分析や投資手法について書いていきます。
『多くの人は、メタバースというと視覚的な体験を連想するが、その真の基盤は、ある世界のデジタルアイテムを別の世界に持ち込むことを可能にするデータレイヤーにある。
これらの世界をつなぎ、横断的に利用できるようにするために最も重要なのは、ブロックチェーンを基盤とした共有データレイヤーです。』
分散型のブロックチェーンならでは、ブロックチェーンだからこそ成立する、個々に与えられる所有権。
それこそが本来のメタバースを実現できるテクノロジーであると考えていることが分かります。
『World of Warcraft では 1,200 万人のプレイヤーが1 週間に 平均 22 時間を 世界で過ごしました。それは 2010 年のことです!
プレイヤーの 90% が 1 週間に 10 時間以上プレイしています。
良くも悪くも、私は経験から話しています。そして、これらの経済は非常に現実的になります。
一時期、 10万人を超える 人々が World of Warcraft で、ゲーム内通貨であるゴールドを獲得して販売することで生計を立てていました。』
ここまでをまとめると、
パラダイムは独自のファンド構造でビットコインへの投資を成功させ、現在は有望な暗号スタートアップやプロジェクトへの投資に注力し、
メタバースの実現に共有データレイヤーが重要であり、それはブロックチェーンの技術が当てはまることを認識しています。
Cryptoウォレットが私たちの生活において、スマートフォン以上の重要な役割を果たす
『Cryptoの面白いところは、単なる筋金入りの金融商品ではないということです。
株を買わない人もスマートフォンを使用し、Cryptoに関連するアプリを使用することができます。
20年後のCryptoの未来を考えると、次世代のCryptoアプリケーションのユーザーの大部分がCryptoを所有する社会になる可能性があります。
それは、インターネットを使い、サービスを利用する自然な流れになるでしょう。
ゲームも良い例で、ほとんどのゲームは完全にはチェーンに乗っていませんが、ゲームアイテムやゲーム通貨をチェーンに乗せることは非常に自然なことです。
しかし、最も魅力的なアプリは、新しい技術によって独自に実現されたものであり、その技術なしでは構築できなかったという見方をする傾向があります。
Cryptoの世界でも同様で、Uniswapのような例があります。
これはオンチェーンで常に利用可能な、誰でも参加できるマーケットメーカーのようなアイデアで、以前は不可能でした。
しかし、Ethereumのように常時稼働しているので、突然可能になったのです。』
『Cryptoウォレットは、銀行口座のようなものであり、アイデンティティであり、評判であり、能力であり、ユニバーサルインターネットログインになります。
それがすべて1つの場所にあるのです。
Cryptoウォレットは、インターネット上のあなたのすべてをデジタルで表現し、ある種の所有権の層となります。
これは、人々がまだ完全には理解していない可能性がありますが、
今後数十年にわたって、Cryptoウォレットが私たちの生活において、スマートフォン以上の重要な役割を果たすことが想像できます。』
ここには、Crypto(暗号資産)が将来的に私たちの生活にどのような役割を果たすかについての洞察が含まれています。
将来的には、次世代のCryptoアプリケーションが登場し、多くの人がCryptoを所有する社会になる可能性があると述べられています。
さらに、ゲームなどのアプリケーションでも、ゲームアイテムやゲーム通貨をチェーンに乗せることが自然なことであると指摘されています。
次に、Cryptoウォレットが将来的に非常に重要な役割を果たすことが期待されています。
Cryptoウォレットは、インターネット上のあなたのすべてをデジタルで表現し、ある種の所有権の層となると述べられています。
つまり、Cryptoウォレットは、アイデンティティ、評判、能力、そしてユニバーサルインターネットログインのすべてを1つの場所に集約することができます。
総じて、この文章は、Cryptoが将来的に私たちの生活に大きな影響を与える可能性があることを示唆しています。
Cryptoの進化に伴い、新しいアプリケーションや技術が登場し、私たちの生活がより便利でシームレスになることが期待されています。
世界最大の企業はネットワーク効果を利用したインターネットプラットフォームだが、私たちが振り返ったときに彼らに対抗する唯一のアプローチは、ユーザーに何らかの所有権を与えることであり、今後20年の間にある種の標準になるかもしれない。そうなると、かなりの激変だ。
例えば、ネットワーク効果を利用したビジネスを展開する上で最も難しいのは、最初の鶏と卵の問題。だからこそ、Web2.0の巨人の中には、今も昔も変わらず、ネットワーク効果が非常に大きいものがあり、それを克服するのは本当に難しいことなのだと思う。
私たちの考えでは、Cryptoはこのコールドスタート問題を克服するための最初の潜在的な解決策を提示していると思う。
つまり、ネットワークの効用が低い初期の段階で、あなたはTwitter 2.0に現れた最初のユーザーであり、ネットワークの所有権を得て、ネットワークの初期の所有者であることによる潜在的な経済的アップサイドが、初期の効用が低いという事実を相殺するのだ。
ここではつまり、分散型ネットワークやブロックチェーン技術を活用することで実現されることを話しています。
分散型ネットワークは、中央集権的なプラットフォームとは異なり、ユーザーがネットワークの管理に参加し、それぞれがネットワークの所有権を持つことができます。
このようなシステムでは、初期のユーザーがネットワーク(コミュニティなど)に貢献することで、ネットワークの成長に直接貢献することができます。
また、ブロックチェーン技術を使用することで、ユーザーの所有権は暗号化され、信頼性が高く透明性があります。
つまり、ユーザーがネットワークの成長に貢献することで得られる報酬や権利が、公平に分配されることが保証されます。
Blurの$BLURトークンインセンティブ戦略はまさにここを利用した、Web3ならではの報酬や権利の、分配です。
今後20年の間に、ユーザーに所有権を与えるアプローチが標準的なアプローチになるかどうかは、まだわかりませんが、分散型ネットワークやブロックチェーン技術を使用したプラットフォームが増えてきていることは確かです。
これらのプラットフォームは、ユーザーが参加しやすく、透明性が高く、公正な報酬が期待できるため、今後ますます注目を集めると訴えていることが分かります。
Web2.0とWeb3.0
一般的には、人々は明らかにWeb2.0での利便性と集中化を評価していたと思う。
また、Web3.0のアプリはユーザー体験がはるかに悪く、さまざまな点で劣っているのに、人々は実際にそのような理由でWeb3.0のアプリを使うのだろうか、という疑問があるでしょう。
私たちが何度も繰り返しているのは、Web3.0では所有権が重要な要素であり、
人々がオンライン上のさまざまなアプリケーションのバリュープロポジションについての考え方を大きく変えるものである。
人々は集中型の優れたユーザー体験を好むかもしれない。
しかし、「あなたはこのアプリケーションのアーリーアダプターであり、そのことで大きな経済的利益を得ることができる」と言えば、
それが最も強力な要因になるかもしれない。
Web3.0のアプリケーションは、現時点ではまだ開発の途中であり、ユーザー体験が劣ることが多いですが、
分散型アプリケーションとして、よりオープンで透明性が高く、重要な問題を解決する可能性があります。
そして、ユーザーに対する経済的なインセンティブや、開発に参加することができるオープンな環境など、魅力的な要素があります。
このあたりのポイントを繰り返し強調し、重要視していることが見えてきます。
中央集権と非中央集権の二元論ではない。
一方で、このように社会の在り方を交えて分析しています。
Cryptoというのは、中央集権的なあるいはレイヤー2的なソリューションを使って、不可逆的なプロトコルの上に可逆性を加えることができる。
ブロックチェーンがすべてを解決しなければならないというモデルを持っている人もいると思う。
しかし、社会はこれらのコアな要素を中心に人々が抱える問題を解決するものをつくるのだ。
逆に言えば、不可逆的な取引は、特定のユースケースでは非常に強力なものになるということ。
私たちはこの2つ両方を持っている。 Cryptoのものがすべて完全に分散化されるというわけではない。
この分散型の基盤の上に、中央集権型の素晴らしい体験がたくさんできるでしょう。
Cryptoが中央集権的なあるいはレイヤー2的なソリューションを使って、
・不可逆的なブロックチェーンのプロトコルの上に可逆性を加えることができること、
・ブロックチェーン技術がすべての問題を解決できるわけではないこと、
・不可逆的な取引が特定のユースケースでは非常に強力なものになること、
・Cryptoが完全に分散化されるわけではなく、中央集権型の素晴らしい体験があること、
などが伝えられています。
※ここでいう、不可逆的と可逆的のそれぞれが指す意味は、
不可逆的(Web3)
可逆的(Web2)
である。
コントラクト研究チームを持つ戦略
Generating secure randomness on Ethereum using SNARKs(画像はparadaigmのウェブサイトより引用)
『私たちが重視したのは、第一原理から考えることです。例えば、もし私たちが新しいCryptoスタートアップを立ち上げる起業家だったら、誰にテーブルについてもらいたいだろうか?私たちのような投資会社が、本当に意味のある形で価値を付加することは可能なのか?
投資家はツイートをすることはできるが、私たちはもっと踏み込んで、企業と一緒にコードを書いたり、コードを監査したりすることができると考えました。これは実用的なレベルで非常に価値のあることだと思います。
抽象的なレベルで考えてみると、Cryptoの潜在的な約束の1つは、私たちの機関や企業、インフラをどんどんデジタル化して、プロトコル化した形にするという考え方です。
将来、経済の多くがCrypto化されたレールの上を走るようになることを想定すると、それに参加するためには技術的に優れた人材を確保することが重要になるのは必然だと思うのです。』
これは、新しいCryptoスタートアップを立ち上げる起業家が、
投資会社からどのようなサポートを受けられるかについて述べています。
投資会社は、第一原理から考え、企業と一緒にコードを書いたり、コードを監査したりすることで、本当に意味のある形で価値を付加することができると考えています。
また、Cryptoの潜在的な約束の1つが、私たちの機関や企業、インフラをどんどんデジタル化して、プロトコル化した形にすることであることを指摘しています。
将来、経済がCrypto化されたレールの上を走るようになることを想定すると、
技術的に優れた人材を確保することが重要になるという見解であり、
Cryptoに関する投資会社の視点や、Cryptoが持つ潜在的な価値について述べています。
『Paradigmは、暗号コミュニティ全体に貢献するために良いことをすることが重要であり、その過程で良いもの、良い人が現れると信じています。
取引について考えすぎず、ボールを前に進めることに集中するようにしています。』
彼らは、MEV、PoSシステム、DeFi、L2スケーリング、その他の関連トピック間の相互作用に関するコミュニティの議論にオープンに貢献し、その関与のレベルは高いと言われています。
また彼らは、投資しているUniswapの競合であるSushiSwapの脆弱性まで発見し、共有しています。
今後2-3年間で最高の起業家とチャンスに投資し、長期的な成功を信じている。
当記事では最後に、彼らの暗号への投資的なビジョンについて語っているところで締めたいと思います。
『究極的には、長期的な暗号の未来について強気の信念を持っており、私たちにとって重要なのは、いつ、何が短期的に起こるかではなく、10年後に何が起こるかということです。
私たちは、今後2~3年の間に目にした最高の起業家とチャンスに投資し、支援する人を正しく選びさえすれば、長期的にはすべてがうまくいくと信じています。』
『暗号の幸と不幸の一つは、流動性が高く、その価格を日次または月次で追跡できることです。しかし、暗号の世界で生み出された最大のものは、実現に10年もかかっている。
そのため、短期的なビジョンではなく、長期的なビジョンを重視しています。
10年後に何が重要かを考えることは、10分後、10日後に何が重要かを考えるよりもずっと簡単だと感じているのです。』
『変なトレンドにとらわれないようにして、「SolanaからAvalancheあたりにお金が移動するのでは...」というようなことは考えないようにすることです。
そういうことが得意な人もいますが、私たちの専門分野ではありません。
長期的に考える余裕を持つことで、ゲームがずっと楽になると考えているのです。』
ーーーー
いかがでしたか?
クリプト分野における世界最大手VCの一つ、Paradigm
その創業者らの卓越した視点、インターネット社会構造全体からクリプトの本質までを深く考察分析し、そのダイナミックで強気な投資方法を実現させています。
彼らの思考や視点は、あなたの今後の学びにも役立つのではないでしょうか。
参考
https://fehrsam.xyz/blog/vr-is-a-killer-app-for-blockchains
https://yu8muraka3.medy.jp/p/3ee423f9-2e3d-4c87-b85e-0a95cd410517