メラさんは実はもともとアーティストではなかった。という事実を知り驚きました。
芸名やアイコン、そして手がける作品からその全てにおいてアーティストな人がまさか一般人だったとは、とても興味深い背景です。
そんなクリプトアーティストのメラタケルさんは、2017年ころ暗号通貨の勉強を始めて2018年にはブロックチェーンに興味を持ち始めました。
そしてそのテクノロジーに魅了されて、Dapps(分散型アプリ)を触りまくったそうです。
当時からscamがあったそうですが、新しいテクノロジー好きだったため好奇心が勝り、
どんどん出てくるDappsを触りまくっていくなかで、ある日『Editional』というDappsとの運命の出会いがありました。
Editionalは自分の画像を投稿すると自動でNFT化されてInstagramの様に表示されるもので、興味本意でアップしているうちに海外の人から『それ良いね』と言われるようになり、アーティスティックな画像に工夫を凝らす楽しみをおぼえて、気がつけばクリプトアーティストになっていたそうです。
新しいテクノロジー好きが掻き立てられて、興味本意で触っていたところからクリプトアーティストになるという、メラさんの人生のターニングポイントがここにあったわけです。
超ニッチなフィールドで、誰よりも恐れずに好奇心だけで飛び込んだからこそ起こった稀有なストーリー、この時点でめちゃくちゃおもしろい人生です。
そしてメラさんにとってさらに運命的な出会いがありました。
EditionalでNFTアートデビューした約1ヶ月後の5月4日に、1/1(一点物を指す)NFTアートの世界最高峰マーケットプレイス『Super Rare』の審査に通貨したのです。
https://superrare.com/mera_takeru
今でこそ審査が超難関のSuperRareですが、当時は知名度が低いせいもあり3日後に審査が通ったそうです。
これもやはり、好奇心に突き動かされた行動力があってこそだと思います。
『「全く知らない海外の人が、自分の作品を気に入って買ってくれる」という、今までに味わったことがない経験、それがNFTの本質だと思うんです。
僕の場合は、その経験からクリエイティビティが日に日に増していき、今の活動に至ります。』
そう語るメラさんの言葉には、超ニッチなクリプトアートを初めころのワクワクした当時の記憶と、これまで培ってきた経験をもとに築いた強い信念を感じさせられました。
そして私は、ユーモアセンスとチャレンジ精神、柔軟性と確固たる信念という、柔と剛のバランス感覚を持ち合わせて、
まだまだ不安定でニッチな業界のクリプトアートスペースの中で生息し続けるメラタケルさんの魅力、そしてメラさんを魅了し続けるクリプトアートの本質を探るべくずぶずぶと入り込んで行きました....
・今の日本のNFTスペースはどのように見えていますか?
『2021年の春前ころにBeepleの高額落札のニュースがあってから世界的にNFTという言葉が広がりました。日本でも早い人はその頃に参入してこられていたと思います。
そしてさらに夏から秋にも第何次ブームか分からないですがブームがあり、クリエイターもコレクターも含めてそのころまた一気に増えましたね。
何回かのブームに合わせて印象も段階的に変わっていきました。良くも悪くも関わる人数が増えておもしろいですよ。
(2021年は)ニッチな世界から一気に爆発的に広がった一年です。』
・いわゆるブーム前の期間、2019年から2021年の2年間はどういう雰囲気でしたか?
『日本はBCGが当時からあって、ダブルジャンプさんもそのころから活動されてて今でも発展していっています。
アート系はほとんどいなかったが、最近は参入し始めたアーティストも増えて色々質問される様になりました。
当時はNFT?なにそれ?という感じで結構隔たりがありましたよ。
NFT、クリプトアートの製作に関する布教活動のツイートしていたけど、全然届かないもどかしさがありました。』
・その2年間で、Super Rareでの作品は売れましたか?
『最初は全然だったけど、2019年末に売れ出しました。
まだ小さい市場でしたが、コロナ禍の2020年中盤から後半わっも流れが変てきて、Defiブームの影響もありクリプトアートにお金がながれてきていた印象です。』
・クリプト、NFTスペースでの、いわゆるクリプトアートとNFTアートの転換期っていつ頃だったのでしょうか?
『(2019年当時は)クリプトアートという言葉が主流でNFTアートという言葉は聞かなかったです。一部では使われていたが、数年間名称が定まりきっていなかったですね。』
・メラさんから見るクリプトアートとNFTアートの違いは?
『NFTは自分のアート活動をNFT化させたもので限定的な感じです。
クリプトアートは、ブロックチェーンの理念や思想に基づいたものであるかなと感じます。
それは、特定の権力に縛られることなく自分達の思い描いた様に新しいことをやっていくという、前向きな姿勢がとても好きです。
海外のクリプトアートに関する記事にも書いてあったりしてて、
自分がどこで生まれ育ってどこの大学を出て学位を持ってなどの自分の経歴、身分や性別や国籍や人種がいっさい関係ない、世界中の誰であろうが自由にブロックチェーンを活用して、
自分の創造した作品を発表できるというのがクリプトアートという大きな流れやムーブメントみたいなものを抱えている部分に共感しています。
「これまでアートをやってきてなかった自分でも、クリプトアートならゼロベースで他の人と同じスタートラインに立てるじゃん。」というのを強く思いました。
それならなんのバックボーンもない、自分みたいなやつがやった方が面白いのではないかと思いました。
それがクリプトアートなのかなと当時は思っていて、だから変な使命感みたいなものを持って突き進んできたと振り返ってみるとそう思いますね。
新しい基軸、文化をつくっていくぞっていう気概をもっている人が多かった。第一線で活躍している人は今でもそう思って活動しているように思います。』
・今の市場はNFT=pfp系プロジェクトが主流になっているが、クリプトアーティストの方々はブロックチェーンに基づく思想を大事にして活動していて、彼らはクリプトアートに誇りを持ち、その思想に準ずる活動をすることに使命感を持っている様に感じます。
『はい、正にその通りだと思います。
(クリプト)アーティスト達の中でも具体的にプロジェクト名を出して「これはクソだ」とか言ってる方もいらっしゃったり、結構意見も分かれるところで、
逆にアーティストがプロジェクトメンバーと協力して、新しいプロジェクトに取り組んだりするパターンもあるし、結構それぞれの意見が分かれてて面白いですよ』
・私(palpal)のツイートを見た海外のクリプトアーティストが
『真のクリプトアートのムーブメントを取り上げていただき光栄です』とDMしてくれて、
そのひと言にメラさんの語るのと同じ、クリプトアートの本質が詰まっているんだなと気付き、
また国内外問わずクリプトアーティストは同じ思いを抱いてらっしゃるんだなと思い、とても興味深い事象でした。
『おもしろいですよね。ニッチなところに辿り着く人たちには、共通する何かがあるのかもしれないですね。』
・メラさんの製作活動におけるコンセプト、こだわりはどういったものでしょうか?
『アートの本質ですが、僕は大学まではピアノを専攻していました。なので、芸術とは何かというものをわかっていたところはあります。
自分の作品を発表することが好きで、鑑賞者に喜びや驚きを与えられることは第一に据えています。
私が参入した時は日本人が少なかったので、自分のアイデンティティである日本の文化を作品に取り入れながら、世界に広めていくとい思いは意識して活動しております。』
・ここまで市場が賑わっていると、製作活動、作品のコンセプトが流行りにながされそうにならないのでしょうか?
『そうですね、新しいものを取り入れるのが好きなので、自分なりにどう料理するのか、スパイスをどう加えるのかを結構楽しんでいます。』
・なるほどです。クリプトアーティストは柔軟なイメージがあるが、メラさんもどんどん取り入れてチャレンジしていくという共通点があるんですね。
『どんどん市場が大きくなるにつれて開発者の人口もどんどん増えました。色んなサービスも増えています。
その中で自分はクリエイター、アーティストとしてどうアンサーするのかを作品製作の根源としている。常に作りたいもので溢れています。』
・なるほど、それは素晴らしい適応能力とチャレンジ精神ですね。クリプトアーティストの方が一番テクノロジーに対して敏感なんですね。
『そうですね、一番最先端というとエンジニアの方々と思いますが、そこからアーティストになった方も結構いらっしゃって、アーティスト兼開発者みたいな人がクリプトのフィールドに結構増えました。
僕も最近はプログラミングとかを、分からないなりに勉強してるんですが、そういった形でどんどんアップデートしていくと言う流れは、今後もどんどん進んでいくのかなっていうのは考えています。』
・クリプト外の人から見ても、ただただブロックチェーンに画像を載せたNFTではなく最先端のブロックチェーンテクノロジーとともにアップデートしていくことで、本当の意味でのクリプトアートになっていくような感じに思いました。
クリプト外の人が現物とNFTアートとの違いを認めるというか。
『クリプトといってもNFTだけではないので、そう言った違う部分、良い部分を掛け合わせてアートに昇華するといったところが結構本質的なのかなって思ってます』
・やはりクリプトアーティストの方って本質的な活動をされてるんですね!
『そうですかねぇ(笑)』
・PFP系NFTプロジェクトは運営していくことも大事だけど、クリプトアーティストはアート製作に専念できるからどんどん最先端テクノロジーを取り入れており、自然と本質的な活動になっていると思いました。
『確かに、個人で活動されている人が多いですので、その分(クリプトアーティストはみんな)道筋も最短でいける、チャレンジできるというのが強みと思っています。』
・メラさんはOGクリプトアーティストとしてのポジションが故に、アドバイスとか求められませんか?
プロジェクトに携わって欲しいって誘われないですか?
『おもしろかったらやってみたいという感覚でいます。
実は進んでいる話もあるんですが、相場的な話で延期になったものがいくつかあります。おもしろいと思ったものはそういうチャレンジもやっていきたいですね。』
・最近のメラさんの作品は、AIも取り入れてますよね?
『AIは2019年からやっていて、僕は絵を学んでいないので大元のモチーフの作成はAIと一緒にやっていました。
今のプロンプト(文章)を打って絵を作るというタイプのAIとは違ったものですが、AIも進化してるので最新のテクノロジーを自分のアートに取り入れるということを試しています。』
・NFT NYCのメインステージ登壇の決定おめでとうございます!
NYCって応募で決まったんですか?それともスカウトですか?
『応募しました。活動していくなかで、数年後に日本のアートを紹介するというのが一つの目標として自然とあったので、今年応募したらいきなり受かりました(笑)』
・凄いですね!笑 選考理由を知りたいところです。
それでは次に、メラさんの経験をもとにクリエイターやアーティストの方にアドバイスをお願いできますか?
『僕なんかがって感じですが、、、ここまで話した事に通じるんですが、とりあえずでも何となくでも良いので、とにかくチャレンジしてみることですね。
僕のこれまでのアーティスト人生はその連続だったかなと思います。
思い切って行動してみると言うのが信念というか、、楽しそう!って思ったら勝手にそこに行っているというか、歯止めが効かなくなってしまう性格はあると思うんですが、
そう言う気持ちを持ちながら常に挑戦し続ける事って大事だと思うし、クリプトの世界って本当に何が起こるかわからないっていうのが、良くも悪くもあると思うので、
自分がこうなりたいって思ったらそれに向かってちょっとずつでも挑戦し続けた人が、すごく良いことが待っている様な世界な気がしています。
僕にでも「あの時やっとけば良かった」という後悔はあるんですが、やって失敗はあるけど次に活かせば良いだけなので、とりあえず弾数はあった方が良いと思いますよ。』
・これまでクリプトアート活動をやめずに続けていらっしゃいますが、モチベーションの維持の秘訣とかはありますか?
『最初からNFTはやらないって決めてる人もいてて今後もずっとやらないという選択もあると思いますが、僕は常に新しいものに興味が向く様な性格なので、
僕と同じように踏み込んだりすることが苦じゃない性格の方が続きやすいのかな、そうじゃない方は苦になるかもしれません。
情報を得るのに言語の壁があったりもするので、そういったところを頑張って乗り越えられる人が、クリプトはあっているんじゃないかと思います』
・なるほどです。市場のネガティブな雰囲気や揉めごとみたいな空気があっても、それとは別のところで常に新しい情報に興味を向けてアップデートしていきながら、チャレンジに集中していくことでどんどんポジティブなエネルギーに変えていけるというところなんですね。
『そうですね。国内のプロジェクトを批判するつもりは無いですが、日本でNFTが流行ってしまったが故に国内だけで回るようになっちゃったというか、それで完結しているところがあって、それはそれで良いことではあるけど、
人と人同士の関係性でいざこざがあったりすると、それが原因でスペースから離れていっちゃったりとか散見するので、思い切って違うフィールドに行く、
僕(の経験)だったら海外だったり違うプラットフォームなどのような、関係のないところに身を置くとおもしろいというか、案外うまくいっていたように思います。』
・わかる気がします。僕はコレクター側ですが、海外のコミュニティで活動してたらいざこざとかに気づかないことがあるので、知らずにそのまま貢献してたら認めてもらえたり、言語の違いのせいでポジティブになってメンタルがやられにくいってのはあります(笑)
『世界中に色んなコミュニティがあるので、一つの場所に固執せずに合わなかったらどんどん移れば良いと思うので、その中でご自身の居場所を見つけられると良いかなと思います。』
・メラさんはコレクターとしてもかなり積極的に活動されてますが、コレクターとしての視点はどうやって選んで買っていますか?
『国内外含めて駆け出しのアーティストさんなどを、自分でリサーチして買ったら応援もこめてツイートして、それを海外の人が見て、そのアーティストさんが大成するといったパターンが何個かあって、、そう言ったのが素敵じゃないですか?
自分がドヤるとかは全くないですが(笑)ちょっとでも貢献できたというか、でもそう言った埋もれた才能とかそういったものを世界に広めるといったことを、意識して活動していた時もあって。
今は溢れすぎて目利きもできてないんですけど、そういったこともコレクターとしてやっていきたいですし、『Editional』の時も、自分が作ったり人の作品を集めたりというのを毎日繰り返していたので、自然とNFTを買ってもらったら買うとか、欲しいものがあったら自然と手にするというのが身についている。
今、国内のクリエイターさんやコレクターさんてその辺りの線引きがはっきりあって、コレクターとクリエイターの両方の活動している人ってあんまりお見かけしないですよね。
でもそもそもクリプトの世界はクリエイターでも良いものは良いってお互いに買うし、有名なクリエイターさんに買ってもらったら自分も嬉しいし、それも活動の原動力としてあります。』
・最後に、ゲスト講師の方に必ず聞いていますが、メラさんの思うNFTのテクノロジーの凄さや魅力って何ですか?
メラさん『人と人との距離を縮める魔法。
世界中に散らばっている人と人との距離という意味でも、経歴や経験の差という距離だったりとか、そういうあらゆるものをNFTが縮めてくれました。
NFTだけじゃないけど、あらゆるものをデジタルやオンライン化にすることによって世界が近くなったという感じがあります。
正にNFTに出会ってなかったら会社員してたと思うし、知らない世界に出会わなかったので、NFTやってて良かったと思うので、
そういった素晴らしさがNFTにあるのかなって思います。』
いかがでしたでしょうか?
全て貴重なお話過ぎて、切り取る箇所が無いのでほぼほぼ全部書き起こしましたが、
特に2021年以降からNFTスペースに参入された方々にとっては、クリエイターさんでもコレクターさんでも、とても新鮮な視点を得られる貴重な内容になったのではないでしょうか?
『クリプトは身分や経歴や国や人種も関係なく、アーティストではない自分も他の人と同じスタートラインに立てます。』
『最新テクノロジー情報を取り入れて、どんどんアップデートして活動を続けた人が、良い事に出会える世界がクリプトです。』
『自分でリサーチして駆け出しのクリエイターさんの作品でも良いものは良いと思って買うし、めちゃくちゃ良いって応援ツイートして海外の人が買ってくれる。
それで大成する事だってあったし、それって素敵だしそれができる、縁だったり大成するチャンスだったりがクリプトだと思います。』
クリエイターの方はとても勇気をもらえたのではないでしょうか?
これからチャレンジしようと考えている方や、既に製作活動をしているけどモチベーションが下がりそうな時の参考になったのではないでしょうか
メラさんのように、柔軟で気持ちを軽くして楽しむことを忘れない姿勢も有りなんだなと、肩の力を抜くことができたのではないでしょうか
コレクターの方はNFT作品を選ぶ時、買う時の基準や視点や、応援するという縁だったり繋がり、そしてその事で得られるチャンスにおいて、とても参考になったのではないでしょうか?
既に名を上げているクリエイターさんの応援とも違った、駆け出しのクリエイターさんを探して応援する楽しさ、
クリプトならではの大成するチャンスに繋がるワクワクを感じれたのではないでしょうか
私は活動家として気づいてなかったこと、気づけてなかった視点をたくさんいただけました。
皆さんの感想や学び、気づいたことや発見をぜひお聞かせください!
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